Recommendation Process


HOMEでご紹介しましたように、出願手続きでは、推薦者を2名から3名登録する必要があります。基本的にアイビーリーグなどのトップ大学院では3名の推薦者が必要になります。

出願手続きの中では推薦者の連絡先(アドレス)の登録が必要となり、受験者が出願したと同時に各推薦者へは「〇〇さんが出願をしました。あなたは推薦者として登録されています。〇月〇日までに推薦状を提出してください」といった案内メールが届きます。

案内メールには、専用ウェブページへのリンクがあり、推薦者は自身のIDとパスワードの登録などをします。

 

専用ウェブページ内では、受験者の能力・経験などを定量的に評価する質問事項があり、推薦者が回答します回答の内容は受験者は見ることは出来ません。その後に推薦状をアップロードして推薦者の作業が終了となります。

ちなみに、〇月〇日とありますが、これは各大学院が設けているapplicationの〆切とは異なります。applicationの締め切りはあくまで出願書類の提出期限であり、その一ヶ月後くらいが推薦状提出の締め切りとなります。推薦状の締め切り直前となると、受験者・推薦者の両方に、「推薦状が未提出なので、直ぐに対応してください」といった案内も届きます。

Personal Evaluation


推薦状の提出とは他に、推薦者は専用ウェブページ内で出願者の能力を相対評価することが求められます。


質問は各大学院で少しずつ異なっていますが、基本的な項目は同じです。以下はその具体例となります。


Based on your knowledge of the applicant, please rate the applicant’s promise as a graduate student (in comparison to his or her peers) on the following criteria:となり、他の同僚や学生と比較して、出願者が能力がどの程度なのかを選択します。

質問としては、次のような事項が聞かれます。
Research Aptitude / Intellectual Ability / Ability to work with others / Creativity and imagination / Maturity / Self-confidence / Communication skills / Analytic Ability / Motivation / Potential in Career Field
簡単に訳しますと、研究能力/知性 / 協調性 / 創造性 / 熟度 / 自信 / コミュニケーション / 分析能力 / やる気 / ポテンシャル、といったところでしょうか。

評価は選択式で、次の中から一つを選びます。選択肢も大学院により異なります。
Below Average / Average / Above Average / Top 20% / Top 10% / Top 5% / Inadequate Opportunity to Observe

そして最後に、出願者をどの程度推薦するのか選択します。
Highly RecommendからDo not recommendまであります

推薦状の文章はどうしても出願者を定性的に評価するものになりますので、このような質問を通じて、出願者を定量的に評価する目的があるようです。

ここでの評価一つで合否が変わることは無いと思いますが、評価されるなら高く評価してもらいたいところです。その点からも、自身を(出願者を)良く理解した推薦者を良く考えて選ぶ必要があります。特に最後に「Do not recommend」を選びそうな推薦者は始めから選んではいけませんよ(笑)

このような評価を選ぶ場合、日本人は極端に良い・極端に悪いという回答を避け、中間あたりを選ぶ傾向にある気がします。しかし、出願者は同じ日本人では無く、世界の出願者と横並びで比較されるわけですから、ここは「Top 5%」を選んでもらえるように出願者に根回しをしても良いと思います

 

推薦者が大学院からこのような作業を求められることを想定して、推薦者の選定や推薦状の準備を進めることが、合格への一歩になると思います。

How to Write Recommendation


一般的な推薦状のフォーマットをお教えしますね。推薦状を書く際の参考にしてみて下さい。ちなみに、推薦状はwordで1ページもあれば十分です。

【日付】(右揃えで書きます。右上に位置します)
推薦状が書かれた日付を記入します。2018年8月22日に書いた場合、August 20th, 2018となります。英語での日付の表記は他にも幾つかあります。

【受取人】(左揃えで書きます)
Dean of Admissions
〇〇 Graduate School
のようになります。

【拝啓】(左揃えで書きます)
Dear Sir or Madam / To Whom It May Concern / Dear Admissions Committee
など、色々な書き方があります。

【本文】(左揃えで書きます)
推薦者と志願者の関係について書きます。
志願者の評価を記入します。
評価を裏付ける具体的なエピソードを書きます。

【敬具】(右揃えで書きます)
Best regards / Yours sincerely / Respectfully
などがあります。

【署名】(右揃えで書きます。右下に位置します。)
二段に分け、下段に推薦者の氏名と役職をタイプしておきます。
上段には署名を記入します。

実際のレターの例を見た方がイメージが湧くかと思います。

↓にword版で貼っておきますので、参考にしてみてください。

ダウンロード
RECOMMENDATION LETTER
RECOMMENDATION LETTER.docx
Microsoft Word 16.2 KB

本文】の書き方の具体例を紹介します。

最初の挨拶(沢山言い回しがあります)
It is with utmost pleasure that I am writing a recommendation for 〇〇 for admission to the graduate program in ×× university. I am proud to recommend 〇〇 for admission to the graduate school.
I am well qualified to make a recommendation for 〇〇 for admission to the graduate school.

推薦者と志願者の関係性(ケースbyケースで書き方が異なります)
I have been working with 〇〇 for 3 years as a supervisor and I have known 〇〇 both professionally and personally.
I have known 〇〇 for 3 years since 〇〇 joined in...
I'm a professor at ×× university and instructed 〇〇 in science class.

志願者の評価+評価を裏付けるエピソード(ケースbyケースで書き方が異なります)
(職場の上司の場合)
〇〇 shows the rare and essential character to be a team leader and work cohesively with colleagues in achieving project goals. As the team leader for the team, 〇〇 guides colleagues...
(大学の先生の場合)
I evaluate 〇〇 very highly, as 〇〇 has shown outstanding achievement in a laboratory science class. 〇〇 took an initiative to make sure the work was done well by thoroughly preparation in advance. 〇〇's idea was always based on theories, for exapmle, when 〇〇...

最後の挨拶
I strongly recommend 〇〇 application to ×× university, which would help 〇〇 in improving 〇〇's knowledge.
I'm convinced that 〇〇 will be able to perform well academically and widen the variety of discussion in class.

大体このような大枠の構成になるのが一般的です。書いてみて分量が少ないと不安になる場合は、エピソードを増やせばよいと思います。また審査員が出願者の人柄を理解できるように、詳細を書くようにするのも一つの方法です。

推薦状は推薦者が書くのが基本なので、出願者が詳しく書き方を調べる必要はないです。しかし残念ながら、出願者自身に原稿を書くよう指示する推薦者が沢山いるのも事実です。本記事が少しでも皆様の負担を低減することが出来れば幸いです。


推薦状を書く上での全体的なポイントをまとめてみます。

1.Statement of Purposeの内容と一致しているエピソードがあると好ましい

Statement of Purposeの中で、「目標の達成に向けて、これまでどのような準備をしましたか?」という設問があります。

 

このStatement of Purposeの設問に対する回答は、出願者が主観的に書くものですので、推薦状の中で指導者が客観的な(良い)評価を行いながらStatement of Purposeの内容を補足できれば、全体のストーリーとして完璧です

 

とはいっても、2つの文章の内容を一致させるのは難しいので、余り意識しすぎる必要もありません。少なくとも、双方のエピソードが食い違うことが無いように注意するだけでも十分です。

2.推薦者を評価する具体的なエピソードを盛り込んでもらう 

推薦状では推薦者の能力が高く、大学院の学生として相応しいことをアピールしてもらう必要があります。その推薦者がどうして能力が高いと思うのか、どうして大学院の学生として相応しいのか、そのように評価する根拠や理由を具体的なストーリーを紹介しながら明確に記述する必要があります

3.短所に関する記述には注意

出願者の長所ばかりを褒めちぎる文書に抵抗がある場合は、短所について触れることも問題ありません。しかし、短所を書く際はあまり強い言葉を使用せず、出願者の評価を極端に下げる文章は避けるべきです。

4.簡潔に書く

Statement of Purposeと同様に、ダラダラと関係の無いエピソードを書くのはご法度です。特に推薦状の文章の量は少ない(少なくていい)ので、情報の取捨選択を行いながら、必要な内容だけを簡潔にまとめるように心がけてください。